小児科
小児科
当院は一般小児科診療として多様な疾患に対応しています。
小児診療の特徴は、お子さまの訴えがなかったりわかりにくかったりと曖昧であること、発症や進行が急であることが多々あることです。こども特有の感染症もあり、一生で最も感染症にかかることが多い時期といえます。
親御さんの「いつもと違う」という感じが病気の発見につながることもよくあります。お子さまの症状やお困りのことがありましたら是非受診してください。
また、育児相談や予防接種など幅広く対応していますので、お気軽にご来院ください。
診療の結果より高度な検査や治療が必要、あるいは入院加療を要すると判断した場合は、小児医療の充実した総合病院や専門の医療機関を紹介いたします。
また当院では院内感染対策として午前中は非発熱外来と発熱対応外来を時間を分けて予約枠を設置しております。非発熱外来の時間帯は発熱症状のある方の受診は出来ませんのでご注意ください。(直接、来院されても大変申し訳ありませんが午前中は受診受付をお断りさせていただきます)。時間帯については専用アプリまたはWEB予約でご確認ください。
迅速抗原検査(それぞれの感染症に罹患しているかどうかを短時間で判定できます)
このほか血液検査(アレルギー等)は外部検査会社委託なのでお時間をいただきます。
このような症状がみられる場合は受診を検討してください。
こどもの受診でもっとも多いのが発熱です。
お子さまが熱をだすと心配になりますが、小児は様々なウイルスが初めての感染であり、その防御反応として熱を出します。
(まれに疲れたり、興奮したりしただけでも熱が出ることがあります)
午前の発熱対応外来および午後の外来では、必要に応じた感染症検査をまず執り行った後診察をいたします。
ここではいくつかの感染症を簡潔にお示しします。
A群β溶血性連鎖球菌と呼ばれる細菌がのどに感染し、発熱してのどの痛み、のどや口の中が真っ赤になります。舌にいちごのようなブツブツができることや顔や体に発疹が出現することもあります。のどの粘液で迅速抗原検査を行い診断を確定します。
治療には抗菌薬治療が基本です。血尿を起こす合併症もあるので治療の完遂は重要です。
治療後症状改善すれば2~3日で登園は可能になります。
高熱とのどの痛みがでる夏のウイルス感染症の一つです。乳幼児の間で流行し38~40℃の高熱が2~3日続きます。のどに赤い粘膜疹や水疱ができ、痛みで食べることが困難になります。
治療は対症療法のみですが、重度の場合水分も飲めず脱水症になることもあります。
解熱し食事も充分できて元気になれば登園は可能です。
夏かぜのウイルスで起こる病気で、感染後3~6日で手のひらや足の裏、口の中に水疱(水ぶくれ)ができるのが特徴です。肘や膝、お尻にみられることもあります。生後6か月くらいから4~5歳ころの乳幼児に多くみられます。発熱は個人差があり出ない方もいます。
発疹は吸収されて一週間程度で治ります。元気が良ければ登園は可能です。
正式には流行性耳下腺炎といい、感染力が強い病気として知られています。ムンプスウイルスに感染することにより耳の下(耳下腺)や顎の下(顎下腺)などが腫れて痛みます。基本両側ですが片方だけ腫れる場合もあります。時に重い合併症として難聴や髄膜炎などを起こします。
診断されてから5日過ぎて元気になったら登園登校が可能になります。
特別な治療法はありませんので、ワクチンで予防することが大切です。
主にヒトヘルペスウイルス6型(まれに7型)の感染で発症します。39度近い高熱が3~7日間続き、熱が下がるのと前後して体幹を中心に全身に細かい発疹が現れます。発疹は数日で痕を残さず消えてしまいます。生後6か月~2歳までにほとんどの人がかかるとされています。
解熱するまで安静と水分摂取が基本ですが、まれに熱が上昇した際に熱性けいれんを発症することもあります。
麻疹ウイルスによる全身感染症であり、空気・飛沫(ひまつ)・接触感染により引き起こされ非常に強い感染力があります。8~12日間の潜伏期を経て、発熱、咳、鼻水、目の充血、赤くかゆみのある発疹などの症状が現れます。解熱後発疹は消退していきます。まれに重篤な合併症を引き起こすことがあります。解熱した後3日を経過するまで登園登校はできません。
特別な治療法がないためワクチン接種による予防が非常に大切です。
正式な病名は咽頭結膜熱です。主にアデノウイルスというウイルスが原因の感染症です。
1~5歳ぐらいのお子さまに多く7月から10月によく見られます。熱は39度近い高熱になることも多く3~5日程度続きます。目の充血、目やに、涙目やのどの痛みがよく見られる症状です。
治療は対症療法になります。発熱後症状が消退し2日を経過すれば登園登校可能です。
水痘・帯状疱疹ウイルスが咳やくしゃみで飛び散り、それを吸い込んだり(飛沫感染)、水疱が破れて出てきた液に触ったりする(接触感染)ことで起こり非常に強い感染力があります。発熱とともに赤い発疹が体や頭皮、額などの顔にでき始め水疱となり、数日で体中に広がります。強いかゆみも伴います。大体1週間程度で水疱はすべてかさぶたになります。すべての発疹がかさぶたになったら登園登校は可能です。
よく知られた合併症に帯状疱疹という、ウイルスが長く体の神経節細胞内に留まり何年か後に皮膚に帯状の水疱や神経痛などを引き起こします。予防にはワクチン接種があります。大人では帯状疱疹予防のためのワクチンも導入されました。
インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。
風邪に比べて症状が重く、急激に症状が出てきます。高熱が出て、のどの痛みだけでなく、関節痛や筋肉痛を伴い、全身に倦怠感が現れます。乳幼児や高齢者では重症化することもあります。全身に倦怠感が現れるのも特徴です。
インフルエンザを疑うときは、安易に風邪と判断せずに早めに医療機関を受診し、治療を受けましょう。発症後48時間以内に抗ウイルス薬の服用・吸引をすれば、症状が軽減され、早く治ることが期待できます。
予防接種もありますが、接種したからといって100%かからないということはありません。ですが発症や重症化を防ぐためにも流行前にワクチン接種することは大切です。ただし、接種してからワクチンの効果が出るまで2週間ほどかかります。
発症後5日を経過し、さらに解熱後2日を経過すれば登校登園は可能です。
胃腸炎のほとんどはウイルス感染(ノロウイルス、ロタウイルス、アデノウイルスなど)で、一部に細菌性(カンピロバクター、サルモネラ菌、腸管出血性大腸菌など)が見られます。幼稚園や小学校などで集団発生することも少なくありません。
症状は下痢、腹痛、嘔吐、発熱が多く、治療は脱水を予防し、症状に合わせた内服薬を服用します。細菌性が疑われる場合には抗生物質を使用することもあります。脱水予防には、自宅で出来る経口補水療法(ORT oral rehydration therapy)が効果的です。
一部をお示しします。
夜間睡眠中の尿漏れを「夜尿症」といいます。自然治癒も期待できますが、5歳を過ぎて1月に1回以上の夜尿が3か月以上続くなら受診したほうがよいでしょう。治療としてはまず生活指導として、飲水・排尿の習慣チェック・便秘治療などを行い、排尿・夜尿の記録をつけていきます。内服治療としては、抗利尿ホルモン薬が一般的ですが、抗コリン薬、三環系抗うつ薬などが処方されることがあります。何らかの基礎疾患が隠れていることがありますので、治療反応次第では専門病院へご紹介します。
こどもの便秘の原因は年齢によって様々ですが、大多数のお子さまの便秘は偏食や生活習慣、体質によるものが多いです。排便時の激しい腹痛や血便などだけでなく食欲低下・嘔吐の原因になることもあります。治療としてまずたまっている便を出す浣腸の後、食事や排便習慣などの指導を行います。時には内服加療をおこなうこともあります。
代表的なものは春先に症状が出現するスギ花粉症です。初夏はイネ科の花粉も有名です。花粉の飛散時期にくしゃみ・鼻汁・鼻閉症状が出現します。目の症状が強いと花粉症の可能性が高いです。こどもの花粉症は年々増加しているといわれています。
対策として花粉の除去回避・内服・点鼻点眼などがありますが対症療法で治すものではありません。最近ではアレルギーの原因物質を少しずつ体内に入れてアレルギー反応を弱めていく舌下免疫療法というものもあります。
他にも気管支ぜんそくの治療や食物アレルギーの指導も行っています。